「お中元」「お歳暮」の片方をやめるならどちら?

2021年8月6日

お歳暮とお中元は

お中元かお歳暮のどちらか、もしくは両方ををやめたいと考えていますか?

お世話になっていた方へお中元とお歳暮を贈っていたけれど、だんだんと縁がなくなってしまうことはよくあります。
接点がなくなってしまうのに贈り物をするのは不自然ですし、贈る側も受け取る側も気を使ってしまいます。

そんな場合は、段階を踏んでやめるのがスマートです。
まずはお中元をやめて挨拶状だけを送ります。
そしてその年の年末にはお歳暮を贈ります。

最近ではお中元を省略して年末の挨拶のお歳暮のみという人も増えています。
どちからをやめたいなら「お中元」にしておくのが無難です。

お中元のお返しは必要?どんな意味がある?

お中元をいただいたらお返しは基本的には不要です。
ただし、お中元を受け取ったら礼状をすぐに出すのがマナーです。

「不要」とはいっても、お中元のお返しをする人もいます。
返す・返さないといった判断は、その地域の慣習に従うといいでしょう。
お返しの相場は受け取ったお中元の半額程度とされています。

また、お中元を受け取った側も「お中元を贈りたい」と考えている場合もあります。
そんな場合は同額程度のお中元を贈るとよいでしょう。

お中元の時期が過ぎたらどうする?

お中元は7月に入ってから8月15日ぐらいまでに贈ります。
お中元の熨斗(のし)紙は、

・紅白のちょう結びの熨斗紙を使います。
・表書きは「御中元」または「御中元御伺」

7月15日を過ぎてしまったら熨斗(のし)の表書きは「お中元」とせずに、
・「暑中見舞い」または「暑中御伺」にしましょう。

さらに8月8日(立秋)を過ぎてしまったら、
・表書きは「残暑見舞い」または「残暑御伺」にします。

「暑中御伺」は、お中元を贈るのが遅くなってしまったとき、もしくは「喪中の人」に贈るときに使える表書きです。

お中元の起源は?

現代の「お中元」「お歳暮」は、普段からお世話になっている人へ感謝の気持ちを込めて贈り物をすることです。
かつては「7月15日」のことを「中元」と呼んでいました。
道教では「三元」というものが暦の中にあり、陰暦で、

・1月15日を「上元」
・7月15日を「中元」
・10月15日を「下元」

と呼んでいました。

日本に仏教が伝来し、7月15日にお盆の催しが行われるようになりました。
この催しの日には、家族や親せきの間で贈り物が行き交っていました。
これがお中元の起源というわけです。

歳暮の起源は、先祖の霊にお供えをするために家族や親せきが食べ物を持参したことにあります。
それがやがて本家にある祭壇に供え物をしたい親戚や子供たちが贈り物をするようになりました。

贈り物をするときには先祖を供養する気持だけでなく、本家の親たちへの感謝と健康への祈りもいつしか込められるようなりました。
現代ではそれが変化したものが行われているということです。

職場や取引先の関係者にお中元が贈られるようになったのは明治時代入ってからです。
デパートが「お世話になった人にお中元を贈りましょう」といったキャンペーンをしてからこのような習慣になりました。
なんだかバレンタインのキャンペーンと似ていますね・・・。

おわりに

明治に始まった習慣ではありますが、お中元は日ごろお世話になっている人に感謝を込めて贈ります。
半年間の感謝を込めて贈られますが、最近では7月に贈り物が集中して届いてしまうのを配慮して6月中旬ぐらいから贈る人も増えています。

いずれにしても人間関係を円滑にするためのならわしですので、気持ちよく贈ったり受け取ったりしたいですね。

(Image by syu syu from Pixabay)