国際線の長いフライトでは、機内食が合わないとき、小腹が空いたときに、自分で用意した食べ物があると安心です。しかし、手荷物検査の液体物制限「100mlルール」や目的地の検疫規制があるため、持ち込みできる食品は意外と限られており、調べるだけでも手間がかかり面倒に感じます。
少し前までは持ち込めたものが現在はNGになっていたり、液体は「100ml」以下なら持ち込めたり、一見すると液体には見えないものが液体扱いになったりすることも。また、手荷物検査では通らなかったのに、検査通過後に売店で購入できたり・・・笑。航空保安上は問題なくても、渡航先の国では持ち込みが規制されているため処分されたり。
過去の検査で、子供がリュックに入れて忘れていたヤクルトを指摘されたことがあります。子供は手荷物検査のルールは知っていたので「ああもう!そうだった!」という表情でその場でヤクルトを飲み干しました。あんなに小さいヤクルト1本でも規制の対象なのです。
2026年現在も、日本発の国際線では国土交通省のルールに基づき、液体・ジェル・ペースト類に厳しい制限が設けられています。
国際線の手荷物に入れても大丈夫な食べ物と、持ち込みできないものをまとめてみました。(最新情報は必ず国土交通省航空保安対策室HPや利用航空会社公式サイトで確認してください。ルールは運用によって変更される可能性があるため、最終的な確認は自己責任で)
国際線の機内持ち込みの基本ルールは?
国際線の手荷物検査(保安検査)では、液体・ジェル・ペースト状のものは100ml(g)以下の容器に入れることになっています。そして、それらすべてを1L以下の透明ジッパー袋にまとめて入れます(すぐに提示できるように)。1人1袋のみ持ち込みが可能です。
中身が少なくても、容器自体が100mlを超えている場合は没収されるそうです。これらをすべて1リットル以下の透明ジッパー袋に入れ、口を閉じた状態で1人1袋のみ持ち込めます。
パン、おにぎり、サンドイッチ、固形のお菓子などは基本的に持ち込み可能です。
一方で、「どろっとしている」「スプレッドできる」食品(ピーナッツバター、ジャム、カレー、シチュー、プリン、ゼリーなど)は、見た目が固形でも液体扱となり、100ml制限の対象となってしまいます。この境界が最もトラブルになりやすい部分です。
また、目的地の検疫規制(肉・乳製品・果物・卵類など)により、入国の際に持ち込めない場合があります。
機内持ち込みOKな食品は?
以下のものは保安検査で持ち込み可能です。航空会社によっては機内で食べるのはNGの場合もあります。また、目的地到着後の検疫で没収される可能性もあるので、事前の確認がおすすめです。
持ち込み可能な食品(固形・乾燥系)
これらはそのまま手荷物に入れて保安検査を通過できます。
お菓子類: チョコレート、クッキー、キャンディ、ポテトチップス、煎餅、ドライフルーツ
乾燥食品: 干し椎茸、切り干し大根、高野豆腐、ビーフン、乾燥わかめ、昆布、鰹節
その他: チーズ(固形)、納豆、生卵、果物(カットされていないもの)、缶詰(液体が少ないもの)
手荷物検査後に空港内で購入したもの
ペットボトル飲料、コーヒー、お弁当、パン、お菓子類など。
免税店や制限エリア内の購入が最も安心です。ただし、乗り継ぎのときの再検査で液体ルールが適用される場合があります。
特例として持ち込み可能なもの
以下の食品は、必要な量に限り100ml制限の例外として認められますが、保安検査場での申告と確認が必要です。
・ベビーフード・ミルク( 乳児が同行している場合)
・医療用食品(糖尿病患者用の食品や、医薬品として必要な液体)
・冷却材( 医薬品(インスリンなど)を冷却するための氷や保冷材)
その他の持ち込みがOKな例
・チーズ(チューブ容器詰め除く)、納豆、生卵、果物
・干し椎茸、豆類、切り干し大根、高野豆腐、ビーフンなど乾燥食品
・味付け海苔、乾燥わかめ、昆布類、鰹節など
・菓子類:キャンディ、チョコレート、クッキー、ビスケット、米菓、スナック、焼き菓子、半生菓子など(固形中心)
どうして100mlなのか?
どうして機内に持ち込める液体は「100ml以下」なのでしょうか?
これは、2006年にイギリスで発覚した「液体爆弾テロ未遂事件」が背景。テロリストが飲料水や化粧品容器に偽装して「液体の爆発物」を持ち込み、機内でそれを混合・爆発させようとした事件が発覚しました。
当時の検査機器では、容器の中身が「安全なジュース」なのか「危険な爆発物」なのかを区別することが困難でした。そのため爆発を起こすのに十分な量を持ち込ませないよう、かつ必要な最低限の液体(薬やベビーフード等)は認められるよう「1容器100ml以下」という国際基準が設けられることに。
「納豆」や「生卵」はOKで、塩辛はNG?
それにしても、「納豆」や「生卵」はOKで、塩辛がNGってどういうことでしょうか。リンゴや梨のような果物を機内で食べるのは理解できるとしても、納豆や生卵?これらは普通は機内で食べないですよね。
一方、液体が多いからという理由で塩辛はNGですが、これを使って爆発物を作るなんて非現実的かと。「塩辛で飛行機ハイジャック」なんてファンタジーの世界かなんかと思ってしまいます。
「その食品を混ぜて爆弾にできるか?」「液体として危険か?」という点で判断すれば、「納豆」や「生卵」は持ち込んでもOKということなんですね。「固形物」なので、液体のように広く撒き散らしたり、他の物質と混ぜて即座に爆発物を作ることが困難だと判断されます。
それに対して塩辛は、汁気が多いため「液体・ゲル」とみなされます。「塩辛でハイジャックができるから」という理由よりも「100mlの液体の基準に当てはまるかどうか」という機械的な基準でNGなのです。
ただし、納豆や生卵の持ち込みについては、機内での飲食は航空会社ごとのマナー規則に従うことになります。多くの航空会社では、機内での飲食に関して周囲への配慮が求められます。
納豆は「機内で食べる」用ではなく「お土産として」の持ち込みということになりますね。また生卵を機内で食べるということは普通はないでしょうし、たいていは最終地の入国時に没収されてしまうのではないかと思います。
機内持ち込みNGな食品(液体・ペースト類)
以下は、液体扱いとなり制限される食品です。これらは100ml以下の容器に移し替えない限り、保安検査で廃棄処分となります。油分が多いものもほぼNG。たとえ密封していても没収対象です。
1. 塗り広げられる・ペースト状(スプレッド類)
ピーナッツバター、チョコクリーム、カスタード、バタークリーム、ジャム、マーマレード、マーガリン、練りあん、こしあんなど。
2. 液体・スープ・ソース類
カレー、シチュー、中華料理の素、スープ類(ポタージュ、クラムチャウダーなど)、フルーツソース、ピザソース、ハチミツ、水飴、シロップ類、バニラエッセンスなど。
3. ゲル状・ゼリー状・乳製品
プリン、ババロア、ゼリー、ムース、杏仁豆腐、ヨーグルト、飲むヨーグルト、ヤクルト、スムージー、アイスクリーム、かき氷、豆腐、こんにゃく、ところてん、生湯葉など。
4. 漬物・缶詰・瓶詰め(汁気のあるもの)
塩辛、キムチ、漬物類(ぬか漬け、福神漬けなど)、野菜缶、果実缶、シーチキン(油漬け)、ハム・ソーセージの缶詰など。
例外になるもの・・・
上記の食品でも、「100ml以下の容器」に入っていて、かつ1L以下の透明ジッパー袋に入っていれば持ち込み可能です。また、通常NGのジャム・ピーナッツバターや漬物は、 「パンに塗ったり」「おにぎりの中の具」としてなら、固形食品の一部として扱われます。
ただし 保安検査を通過できても、肉製品(ハム、ソーセージ、コンビーフ)や果物、野菜は、到着国の検疫で没収される可能性が極めて高いです。
液体の検査をしない空港もある?
過去に、保安検査でジッパー袋に入れた液体を確認しない空港もありました。検査官に「何も出す必要はありません。そのまま荷物をトレイに置いてください」と案内されたのです。これは「新型CTスキャナー(3D検査装置)」を導入している空港だったようです。従来のX線検査では、トレイに広げた手荷物を確認しますが、新型機器ではその手順が不要で、3D画像で荷物の中身を詳細に解析でき、液体の種類まで特定できるそうです。
たとえ検査機器が高性能になっても「100ml制限」や「1Lジッパー袋ルール」そのものは国際基準としてまだ完全には撤廃されていません。空港によって運用に違いがあるため、乗り換えを含むフライトで新旧の検査方式が混在した状況を経験することも。ジッパー袋を持参することになんらデメリットはないため、ジッパー袋の用意をいつでもしておくことがおすすめです。フライト中も旅行中も、中身が見えるので使いやすいし、ヘタって来たら処分するだけなので便利だと思います。
検査を通過して空港で買うのは割高じゃ・・・?
液体制限が始まったとき、「手荷物検査のときに液体が持てなくて、その後の空港制限エリアで割高の商品を購入しろってこと?」と、少々解せない気分になりました笑。これは、多くの旅行者も抱く共通の疑問かと思います。
「割高な飲み物を買いたくないなら、空の水筒を持ち込んで検査後に給水スポットで水を入れれば無料で飲料を確保できます。多くの空港で給水スポットが増設されています」というコメントを見たことがありますが、水が飲みたいというわけではないんですよね・・・笑。
また、「プリン」は手荷物検査で扱いが分かれるものの1つですが、例えば、保安検査前にコンビニで購入したプリンはNGだけど、検査後の空港制限エリアで購入したプリンはOKで、機内で食べることもできます。たとえコンビニと空港内店舗が同じところからプリンを仕入れていたとしても、保安検査「前」と「後」ではプリンの運命が変わってしまうのです笑。
なんだか矛盾しているようにも聞こえますが、コンビニのプリンは「管理外の液体」で、危険性を否定できないものと判断され、一方で、空港制限エリアのプリンは「管理下の液体」で、安全性が確保されたものと判断されます。悪い奴らは何でも悪用するでしょうから、テロ防止のためには仕方がないですね。
おわりに
以前、乗り換え先の空港で、箱に入った日本酒を没収されている外国人を見かけました。乗り換え便を利用していたぐらいなので、空港の制限エリア内で購入した日本酒だったはず。せっかくのお土産をいとも簡単に没収されてて気の毒に思いました。
本来、空港制限エリアでは購入した液体物(飲料、化粧品など)は、「セキュリティ・タグ付きの専用袋(STEB)」に入れることになっています。店側が専用袋を忘れたか、乗り換え乗客の確認を怠ったか、なのかなと思います。
もちろん乗客側も購入するときの注意は必要だと思います。でも、初めての旅行で専用袋なんて知らない人も多いだろうし、店側は普段から多くの乗客の対応をする「プロ」である以上、スタッフのミスによって乗客が不利益を被るということはあってはならないわけです。店舗側のスタッフ教育が必須だと思います。






